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【12】消費者行動と心理学

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【12】消費者行動と心理学

【1 消費者行動の心理学とは何か】

消費者行動
社会経済生活の中で人間が商品やサービスを獲得し、消費し、廃棄することに直接含まれる活動
消費に金銭のやりとりが含まれることがほとんどであるため、消費者行動の研究の多くが購買活動に焦点を当てている。

消費者行動の心理学
消費者の行動がどのように、なぜ行われるのか。
消費者行動がどのようなものに影響されたり、影響を及ぼしたりするのかを研究

心理学的に研究することの利点
①消費者行動には多くの心的過程が含まれており、それゆえ既存の心理学の理論や知見を消費行動に適応することができる
②心理学が描く人間像は時に非合理な判断や行動をする人間の姿であり、そうした人間像のほうが、より現実の消費者行動い適っている


【2 消費行動に含まれる心的過程】

商品の品定め→知覚・認知
購買の決定→判断・意思決定
特定の商品を欲しいと思うこと→欲求や動機づけ
購入することに価値や満足を見いだす→態度・感情
商品の評価・口コミなど→対人間のコミュニケーション

消費者行動の一連の心的過程を情報処理過程と見なした研究
人間が最終的に下した判断や行動だけでなく、その判断や行動に至るまでの過程に重点
その過程を高機能のコンピュータが行う情報処理過程に類するものとみなし、人間の心の働きをモデル化し、観察、実験、面接、質問紙調査などの心理学的方法論によって、そのモデルの妥当性を実証的に検証

精緻化見込みモデル
説得の受け手が、送り手から発せられた説得メッセージをどの程度よく考えるのか(メッセージの検討にどの程度の労力を割くか)、その程度がいくつかの条件によって変わることがモデル化されている。

中心ルート
説得メッセージの内容について注意深く、じっくりと考える。
メッセージに含まれる議論の論理性や説得力に注目するとともに、取り上げられている事実や証拠にも目を向け、関連する経験や記憶があれば想起する。
広告の場合、商品の特長に関する説明に最も注意が割かれ、検討されることになる。

中心ルートが経由されるのは、説得の受け手に動機づけと処理能力の両者がある場合のみで、それ以外の場合は、精緻化に費やす労力を倹約し、周辺ルートを経て説得メッセージを処理しようとする。
そのため、商品の本質とは無関係な広告の表面的特徴によって、特定商品への魅力が増すことがしばしばある。(態度変化)

周辺ルート
議論の本質とはあまり関係ない表面的な特徴が注目される。
メッセージの送り手(広告モデル)などが魅力的かどうかといったもの。

態度変化
精緻化見込みがある場合、事前の態度や、メッセージの質に応じて認知構造の変化が生じ、態度変化が起こると考えられる。
ただし態度変化の方向は、説得の内容と逆方向に生じる場合もある。
広告に書かれた説明を十分に検討した結果、むしろその広告の商品を買わないことを決心する場合など。
態度変化がどのような方向に生じようとも、中心ルートを通じて生じた態度変化は持続的で、それを覆すのは容易ではなく、行動にも一貫性が見られる傾向がある。


【3 消費者行動の非合理性】

消費者行動の多くは、精緻化見込みのない状況で行われていることが多く、そのために商品の本質的な特長ではなく、広告などの周辺的な特徴に影響されやすい。
それは自由市場経済の中で生産される商品には明確な優劣をつけがたい商品が多く存在するということに関係している。

合理的に最もよい商品を選ぶには多大な労力を必要とするが、あらゆる商品の選択に最大限の精神的路右翼を傾けるのは不可能なため、自分に特別な意味をもつ商品や、よほど高い買い物でなければ、購買行動に多くの時間や労力を費やしたりしない。

説得の技法
説得に影響を与える要因

①好意
好意をもった人からの説得に負けやすい。好意をもちやすい人のひとつとして身体的魅力が高い人が挙げられる。広告には身体的魅力の高い人や人気のある人が登場して消費を勧めることで、商品自体に対しても好意的な態度をもつようになる。

②権威
権威者や専門家の説得を受けやすい。歯磨き粉や歯ブラシなどの広告では、歯医者が推奨していることをアピールしたり、アカデミックな研究によってその効果が実証済みであることを示したりする。本物の専門家でなくても、白衣を着るなどして専門家らしく見せる場合もある。

③社会的証明
他者の行動を基準にして自分の行動の正しさや的確さを判断する傾向にある。そのため、多くの人が買っているとか、誰もが使っているといった広告は消費者に訴求力を持つ。

④希少性
希少性の高いものに魅力を感じやすい。限定数が示されていたり、残りわずかだという文句は、商品の価値を実際以上に高いものに見せる。

⑤返報性
人に何かよいことをしてもらったら、それに対してお返しをしなくてはならないと思いやすい。試供品や試食は、消費者に一種の恩を売ることで購買行動を引き起こそうとする、

⑥コミットメントと一貫性
いったん何らかの決断をして、それを他者に表明したり、実際に行動に移したりすると、それと一貫した行動をとらなければならないと思うようになる。あるブランドの商品を購入すると、その後も熱心なユーザーになる。


ブランド志向
パソコンや牛乳など、購入する商品の種類によってブランドを決めたりする場合、特定のブランドであるという情報だけをたよりに商品を選択しているという意味で、精緻化見込みモデルの周辺ルートに沿った行動と言える。

ブランド情報を商品選択に用いる理由
①商品の品質を保証する指標として機能しているため
名の知れたブランドの商品を購入すれば高い確率で品質の良い商品を入手でき、後悔する可能性も低いと信じられている。

②そのブランドをもつことが消費者の自己表現になる
現実の自分を表現するためや、理想の自分を演出するためにブランド品を購入することがある。
また、他者の持ち物からその人の性格や価値観、社会的地位などを推測することもあり、その推測はかなりの程度正確である。

感情の影響
一般にはポジティブな感情が商品に対する好意的な態度を作り出し、購買行動へと導くと考えられているが、時には消費者の恐怖感情や危険認識などネガティブな感情を高めることで。購買行動へと駆り立てようとする広告もある(恐怖アピール)。
また、ノスタルジアのような複雑な感情にアピールする広告も見られるようになった。

しかし、商品や広告から直接誘発される感情だけでなく、店舗のBGMや天気など、まったく無関連な原因によって、偶然生じた感情も、消費者行動に影響することがわかっている。

判断における感情一致効果(C.M.W.ヤンとR.S.ワイヤーの研究)
実験者に楽しいもしくは楽しくない出来事を思い出させることでポジティブまたはネガティブな感情を喚起させ、その後スポーツシューズの広告写真を見せ、その商品の好意度を測定。
ポジティブな感情状態にある人の方が好意度を高く評定する傾向が見られた。

多すぎる選択肢
現在、多くの企業は消費者の多様なニーズに応えようとして、ひとつの商品ジャンルに複数の商品を用意することが通例となっている。
しかし多すぎる選択肢の提供は、消費者の購買行動にむしろ抑制をかけることになる。
選択肢が多すぎると、その中からひとつを決定するのに時間と労力がかかり、それがストレスとして働くためと考えられる。すなわち情報過負荷の状態になるので買い控えにつながる。
また、多くの選択肢の中からひとつを選択するという行為は「もしこれを選ばなかったら」という予期的後悔を引き起こしやすいため個々の商品の魅力を減じ購買意欲を妨げる。

行動経済学の興隆
消費者行動の心理学と同様の考え方は、近年徐々に経済学の分野にも浸透してきており、構造経済学として花開いている。行動経済学は、心理学的な考え方や方法論を取り入れた経済学である。
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