忍者ブログ

心理学勉強用

【02】教育についての心理学

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

コメント

ただいまコメントを受けつけておりません。

【02】教育についての心理学

【1 教育心理学とは】 

教育心理学とは、心理学の成果を教育活動の中に生かすもの

教育学

実践哲学:人としてのあるべき方向を示し、子どもの成長発達がいかにあるべきかを説く
心理学:子どもの成長発達をどのような方法・手段で達成すべきか、そこでの障害を知り克服法を考える
心理学は教育実践の際の原則を提供するものだが、ストレートに適用するだけでは教育とは言えない。教育実践は、親・教師・指導者にとって、ひとつの創造的活動である。



【2 教育心理学の領域と課題】

①成長・発達に関する領域
人間の誕生から死までに生じる変化の過程に見られる法則性の問いへの回答
遺伝と環境の問題、成熟と学習の関係、教育可能性とレディネスの問題

②教授・学習に関する領域
教育的介入…遺伝に規定される要素への介入の余地は少ない(環境条件を整える位)が学習については発達の過程に対する介入の影響は大きい

③適応・人格に関する領域
子どもや青少年にとって、発達の各段階での心的・行動的特性やあり方が、その後の発達的変化にどのように影響するのか→パーソナリティの問題が大きく関わる
パーソナリティ:同じような状況下にいながら、人によって反応の仕方が異なるのは何故かを説明する概念
パーソナリティはこれまでの発達の結果であり、この先の環境との相互作用のあり方を決めるもの。各人のパーソナリティを把握するための枠組みと方法を明らかにすることが必要

④測定・評価の領域
学力・適性・知能・性格など、捉えにくいものを客観化できるか、妥当性と信頼性の高い評価方法をどのように実現できるか。
教育目標をどのように明確化して示すか、評価を学習促進にどのように活用できるか。

⑤障がい児の教育の問題
障がい児の発達過程を明らかにし、障がいに対応した教育のあり方について研究

⑥人間関係・集団の問題
人が集団の中にある時、1人の時とは異質な心理状態・行動を経験しやすい
→そこに働く法則性の研究が、子どもの発達・成長・学習をより生産的で効果的なものに

⑦環境・地域・文化との関係の問題
マスコミや社会的風潮が子どもの発達に大きな影響を持っている
→具体像を研究。その時代・社会の「子ども文化」について研究し、社会文化的要因を明らかにする

⑧教師・親に関する問題
教師・親の実態を探り、そのあるべき姿を模索する
→教師・親は、子どもの発達に直接責任を負い、子ども自身にも大きな影響を与えている



【3 学校という集団の特徴と機能】

集団の種類
大集団:多人数/小集団:数名以下
所属(成員)集団:所属していることにほとんど意味をなさない
関係(準拠)集団:一員であることを喜び、集団内の価値基準や目標に共感
内集団:成員同士の「われわれ」意識の強い集団/外集団

学級集団とは
・教育意図をもって編成された「目的集団」であり「生活集団」
子ども達相互間に持続的な人間関係が形成され、社会の一員としてふさわしい行動様式・技能・価値観などを身につけていく
・先生の指導下で共通の学習活動を行う同年齢の子ども達の集団
最大の目的は「学習」:認知的・感情的・情緒的側面の学習

〈先生〉知識の伝達者、教科の専門家、行動のモデルになる権威者
→リーダーシップの見せ方が生徒の行動・学習へ影響

〈生徒〉目的集団(学級目標の達成)から心理集団(学校への適応、人格的発達)へ
→先生はこの両側面を理解しつつ学級集団を率いていく

学級 < 学校 < PTA・教育委・地域社会など 
学級の背景にある多くの集団、地域文化、社会的影響などとも無縁ではない



【4 学級集団の機能

・知識や技術の獲得を促進させる文化伝達機能
・学校適応や人格的・社会的発達を促進させる機能

学級集団を経験する中で社会化させる側面
①集団意識、仲間との結びつきの深まり、自己中心的な行動・欲求の抑制、行動様式や技能の獲得

②社会的欲求(親和・承認・達成欲求など)が芽生え、強められ、満たされる

③個性や能力に応じて役割が与えられ、個性や能力を理解し、それを共有する

先生の重要な役割:学級のもつ機能が適切に発揮されるように、学級集団を組織化する



【5 交友関係の成立

どんな相手と交友関係を成立させていくかを調べる2つの方法
外部接近法:すでに交友関係にあるペアについて、観察・心理テストなどによってその規定因をを客観的に探り出す方法
内部接近法:「ソシオメトリック・テスト」などで好きな友人を指名させ、その選択理由を尋ねる方法

内部接近法による4つの選択要因
①相互接近
物理的近接(家や席が近い、通学路が一緒など)が原因→席替え・クラス替えで解消しやすい

②同条・愛着
何となく好き、感じがよいと思う、親切で優しい、明るく朗らか、可愛いなど

③人格的尊敬・共鳴
学業や人格が優れていることに対する尊敬の念、性格・趣味・考え方が一致することによる共鳴

④集団的共同
互いに教え合う、助け合うなどを通して、グループとしてまとめる

※①→④につれて年齢が高くなる



【6 学級集団の雰囲気を構成するもの

学級集団の雰囲気は、生徒同士・先生と生徒・先生同士の関係、学校全体の校風によってつくられる。

子どもたちの要求
・周囲から受け入れられ、称賛されたい
・集団の一部だという所属感を得たい
・人から注目され、周囲からの愛情を得たい

要求が満たされると感じる時、「所属集団」から「準拠集団」へ
自分が安定していると感じ、社会的適応を果たしやすく、人に対してもより受容的になる。
自分の意志・感情を自由に表現でき、学習も促進される。

凝集性
成員をその集団内に留まらせるように働く心的力の総体
→成員がその集団にどれだけ魅力を感じているか

凝集性が高くなると、集団の意地・存続が確固としたものとなり、成果が集団から受ける影響も強くなる。
学級集団では、子どもの人間関係のパターンと教師のリーダーシップが主な要因

凝集性の高い学級
友好関係が多い、成員間に規範が共有されていることが必須
ただし、規範の内容が対人関係の快適性を目指すと、効果的学習にとって阻害的要因に

凝集性の低い学級
多くの下位集団に分裂、ボス的存在の子どもが学級を支配


しかし、現実の学級集団では全ての子どもが望ましい交友関係を実現しているとは限らない

不適応
①孤立している子ども
②排斥(はいせき)される子ども
③交友関係が変動しやすい子ども
④影響関係の偏る子ども(ボス、依存過剰)
⑤いじめっこ・いじめられっこ

不適応は突発的に生じず、子どもが一定期間にどのような相互的やりとりを行ったかで決まる
→教師のリーダーシップの不適切さが原因にも

客観的に見て周囲から無視・拒否され、自分でも認知している子ども
→学級集団の中で安定感が得られない→自分を認めてくれる他集団を準拠集団とすることも



【7 学級集団理解の方法】

学級集団の構造的特徴や交友関係を調べる方法→観察法社会測定法

社会測定法の中でよく知られているもの
ソシオメトリック・テスト(J.L.モレノ:アメリカ)
集団成員間の選択・排斥に基づいて人間関係を研究する理論

手法〉
集団の全ての成員に、他の成員についての選択および排斥についての質問を行う
「誰と遊び(働き)たいですか?」「一緒に遊び(働き)たくないのは誰ですか?」など
回答の秘密を守ることを保証し配慮する必要(外部に絶対もらさない)

〈データ分析〉
ソシオマトリックスの作成:成員同士の選択・排斥を表示
表示された数値を用いて、各個人の集団内での心理的な位置およびその集団全体がどのような特徴を持っているか記述できる

選択地位 = 個人が受けた選択数の総和 / (グループ人数ー1)
排斥地位 
= 個人が受けた排斥数の総和 / (グループ人数ー1)
選択排斥地位 = 個人が受けた選択数の総和 ー = 個人が受けた排斥数の総和
集団凝集力 = 相互選択を行った対(ペア)の総和 / 可能な相互対(ペア)の数
PR

コメント

ただいまコメントを受けつけておりません。

プロフィール

HN:
No Name Ninja
性別:
非公開

P R