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【03】発達についての心理学

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【03】発達についての心理学

【1 発達についての考え方さまざま】

レディネス(準備性)の必要性:A.L.ゲゼル
心身の成熟がその段階に達していないのに訓練を施しても十分な効果は得られないという考え

しかし、人間の発達には周囲の環境との相互作用が重要な要素になっているのではないか?


発達段階を想定していない発達理論

学習理論(B.F.スキナー、A.バンデューラ)
それぞれの人間がどのような学習経験をもったかで、その人の発達の方向や順序が決定されていく
例)攻撃的な行動→褒められるとますます攻撃的になり、叱られると行動が減少する

その人がどういう経験をしたかだけでなく、他者の振る舞いやその結果からも学習する(テレビやインターネットなどの情報も影響)


比較行動学(K.ローレンツ:動物行動学者)
刷り込み(インプリンティング)を提唱
赤ちゃんの微笑み行動:生後1か月ほどで大人に向かってニッコリ微笑む
→自分の生存可能性を高めるための生物学的にプログラムされた行動

生後3年間は人間にとって愛着形成の重要な時期であり、機会を失うと他者との情緒的結合は永久に獲得できないという考え→この考え方には異論が多い


弁証法的発達論(リーゲル)
人も環境も常に変化を続けていて、決して留まることがなく、環境変化が人のあり方に影響し、人の変化も環境に影響する相互作用の中で人の発達も考えられる
弁証法的:変化し続ける個人と環境とが連続的に相互作用を繰り返している様子のこと

個人の変化
・生物学的次元(成長、身体能力、病気、衰えなど)
・心理学的次元(抽象的な概念の理解、情緒の安定、人格の成熟、思想的に保守化など)

環境の変化
・物理的次元(地球温暖化、自然災害など)
・社会的次元(価値観、インターネットの普及、歴史的出来事の発生など)

これらの次元は別々に絶えず変化を繰り返し、互いに関連し合う。


【2 J.ピアジェの知能の発達段階論】

ピアジェの考え
他の動物のように身を守る能力(速く走る・空を飛ぶ・鋭い牙や爪・優れた感覚・体の大きさ)を持たない人類が、環境に適応するためにもっているのは、優れた知能である

ビネ研究所で、年少児と年長児ではものの考え方が異質であるということに気付く

シェマ
認知構造。人が自分の体験に対処し、それを解釈するために自ら構築した行動や思考のまとまり。

生まれて間もない乳児:反射は最初期の行動シェマ(感覚運動的知能)
生後2年目:行動だけでなく頭の中のイメージを用いて自分の経験を表す(前操作期的知能)
7歳くらい:行動シェマやイメージシェマを超えたもの→論理操作と呼ばれるシェマの一種(具体操作期的知能)

・具体操作期的知能が獲得されると、大きい順や長い順に物を並べたり、数の足し引きができるようになる。
・年齢とともに新しいシェマが発達していくため、同じ刺激に対して年齢ごとに違う理解や対処をする。

シェマの発達:体制化と順応
体制化→既に持っているシェマを、より複雑なシェマと組み合わせてつくり替える
順応→自分の体験に合わせてシェマを変更していく(同化と調節)
・同化:新しい経験を既存のシェマで解釈しようとする過程
・調節:新しい経験を説明できるように自分の既存のシェマを修正する過程



【3 E.エリクソンの発達漸成(ぜんせい)論】

エリクソンの考え
人間の人格的発達は、生涯にわたって続くものであり、青年期に終わってしまうものではない

発達漸成論とは
「漸成」とは少しずつ形成されていくという意味
人間の人格は主要な8つの要素を生涯のそれぞれの次期に発現させ成長させていく

8つの要素

①基本的信頼感
生まれたばかりの子ども
自分が他者から愛され大切にされているという感覚を身につける

②自律の感覚
おむつを卒業するころの幼児
自分の意志で自分の行動を律することができるという一種の自信を発達させる時期

③自発性
幼稚園の時期の子ども
自分で何らかの活動を自発的に始める能力
自分の思い通りに勝手な振る舞いをすることとは違う(道徳感)

④勤勉性
小学生の時期の子ども
勉強やスポーツなど目の前のことに一生懸命に取り組むことで、自分にもできるという自信を獲得
これができないと「自分はだめだ」という劣等感が育ってしまう

⑤自我同一性
思春期の子ども(青年期・成人期・老人期にも何度も見直しを迫られる)
第二次性徴という体の変化を経験し、自分への関心を高め、自分にできること・関心・将来のことなどについての模索を始める

⑥親密性
親からの自立を果たした頃
他者との親密な接触を求める
恋人・結婚相手・親友・仕事仲間などとの間に親密な人間関係が形成
ただし両者に自我同一性を確立していなければ真に親密な人間関係は成立しない
自我同一性を確立した者同士の親密な関係とは相手の自我同一性を侵害しないことが前提

⑦生殖性
社会の中核として働く中年期の成人
自分以外の他者のために自分の持つ力を発揮することに喜びを見出す
この時期にこの感覚を持てないと、自分を甘やかすことだけに関心を向けるようになる

⑧統合の感覚
老人期
これまでの長い人生を振り返り、自分の人生を受け入れ、肯定できるかどうか問われる(統合)
矛盾や失敗があっても自分の人生を変える必要のないものとして受け入れる人は英知を獲得
自分の人生を失敗と感じ、受け入れがたいと感じてもやり直す時間が残されていないと悟ると絶望にとらわれる


これらの心的特性は獲得の時期にだけ出現するわけではなく、その後生涯にわたってその人のあり方に影響する
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